「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」を購入したので内容を紹介します。
買おうか迷っている方は参考にしてください。
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版数が違う場合、記事内容とは異なった情報が載っている場合があります。
本書の内容についての質問や本書を購入した感想などがあればメールフォームから送って下さい。
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宣伝になりますが、筆者の作ったテイルズオブジアビスの攻略サイトが公開中です。
この記事を見てテイルズオブジアビスを再びプレイしたくなった方は参考にして頂くと嬉しいです。
- 「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」の内容
- 「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」の総評
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「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」の内容
目次ページ
目次ページは下の画像のようになっています。

Package Illustration
この章にはPS2版テイルズオブジアビスのパッケージイラストとイラストに対する藤島康介氏のコメントが載っています。

ページ下部に藤島康介氏のコメントが載っています。
KOSUKE FUJISHIMA’S ESSENCE OF CREATION! PART1
この章には藤島康介氏へのインタビューが2ページにわたって掲載されています。
インタビュアーの発言を下記にまとめましたので、インタビューの内容を想像する助けになれば幸いです。
- 今回の「テイルズオブジアビス」は「テイルズオブ」シリーズの10周年という記念すべき作品です。そういった節目の作品ということでの感慨はございますか?
- 「テイルズオブシンフォニア」以来2年ぶりの新作が今回の「アビス」ですが、新たに8人のキャラクターを作り上げた感想などをはじめにうかがいたいのですが?
- シロウト目には髪の毛のCG表現などは大変そうに思いますがいかがですか?
- 今回の藤島さんのキャラクター制作期間はどのくらいかかっているのですか?
- なるほど。兄妹で大変なキャラクターだったということですね(笑)。その詳細はキャラクター各論に譲るとして、いつものことかと思いますが、ご自分の作ったキャラクターがゲームで動いているのを見ていかがですか?ゲームとの馴染み具合などは?
- 演出面でよかったというのは具体的にはどんなところですか?
- テキストがマンガのようなフキダシというのはどう感じましたか?
- 今回はゲーム中ではキャラクターの頭身が高くなっていますが、それはどう感じましたか?
- これはどうなんだろう?といった課題といいますか、注文点はございますか?
- 3D酔いの原因はなんなのでしょうか?
- なるほど。ですが今後も3Dは進化してキャラクターやカメラワークなども合わせて進化していくと思います。
- では巻頭のインタビューはこれくらいにして、本書は前作「テイルズオブシンフォニア」での藤島さんのお仕事を解説していただいた「藤島康介のキャラクター仕事」の第2弾です。前回同様詳細なキャラクター解説などうかがいますので何とぞよろしくお願いいたします。
Character Image & Impression
この章には以下のキャラクターのパーソナルデータ、彩色原稿、藤島康介氏のキャラクターに対するコメントが掲載されています。
- ルーク
- ティア
- ジェイド
- アニス
- ガイ
- ナタリア
- ヴァン
- アッシュ
Character Image & Impressionの構成は下の画像のようになっており、右ページにパーソナルデータと藤島康介氏氏のコメントが、左ページに彩色原稿が載っています。

パーソナルデータには名前、年齢、身長、体重、クラスが載っています。

キャラクターデザインを担当した藤島康介氏のコメントには、下の画像のようにキャラクターに対する第一印象やデザインする上でのポイントなどが載っています。

この章に載っている彩色原稿は他の関連書籍にも載っています。
ただし、他書籍のものは文字が被っていたり掲載サイズが小さかったりします。
キャラクターのパーソナルデータは「TOA 公式コンプリートガイド(PS2版)」「/TOA キャラクターエピソードバイブル」にも載っています。
藤島康介氏のコメントは本書にしか載っていません。
以下に該当する方は本書を購入することをお薦めします。
- サイズの大きいキャラクターの彩色原稿が見たい。
- 公式コンプリートガイド、キャラクターエピソードバイブル未所持でキャラクターの身長や体重を知りたい。
- キャラクターに対する藤島康介氏のコメントが見たい。
CHARACTER MAKING PROCESS
この章には以下のキャラクターのラフ画やアニメ三面図などの美術資料と、藤島康介氏の資料に対するコメントが掲載されています。
- ルーク
- ティア
- ジェイド
- アニス
- ガイ
- ナタリア
- ヴァン
- アッシュ
この章に載っている美術資料は下表の通り。
なお、藤島氏のコメントは下表の備考の欄に書いてあるものに加えて、美術資料全体に対するものが載っています。
ルーク
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・表情 ・リストバンド ・武器 ・ポケット ・コスチューム(パンツ) ・ブーツ |
| 完成稿1(線画) | 武器に対する藤島氏のコメントあり。 |
| 完成稿2(線画) | ‐ |
| 彩色原稿 | ‐ |
| 表情集(改心前) | ‐ |
| アニメ三面図(改心前) | ‐ |
| 表情集(改心後) | ヘアスタイルに対する藤島氏のコメントあり。 |
| アニメ三面図(改心後) | ‐ |
ティア
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・コスチューム ・コスチューム(肘) ・インナー ・武器 ・ブーツ ・スカート |
| 完成稿(線画) | スカートに対する藤島氏のコメントあり。 |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 +隠し武器 | ‐ |
ジェイド
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・メガネ ・表情 ・コスチューム ・ポーズ ・ブーツ |
| 第2稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・コスチューム ・ブーツ |
| 完成稿(線画) | ‐ |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 | ‐ |
アニス
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・コスチューム(バック) ・ヘアスタイル ・コスチューム(フロント) ・武器 ・ブーツ |
| 完成稿(線画) | ぬいぐるみトクナガに対する藤島氏のコメントあり。 |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 +ぬいぐるみトクナガ | ‐ |
ガイ
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・アクセサリー ・コスチューム(フロント) ・帯 ・コスチューム(バック) ・武器 ・ブーツ ・グローブ |
| 完成稿(線画) | ‐ |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 +アニメ二面図(ED時) | ‐ |
ナタリア
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・表情 ・ヘアスタイル ・コスチューム(フロント) ・武器 ・ブーツ ・コスチューム(バック) |
| 完成稿(線画) | ‐ |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 +アニメ二面図(ED時) | ‐ |
ヴァン
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・表情 ・コスチューム ・長剣 ・ブーツ |
| 完成稿(線画) | ‐ |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 | ‐ |
アッシュ
| 掲載資料 | 備考 |
|---|---|
| 第1稿(ラフ画) | 以下のパーツに対する藤島氏のコメントあり。 ・ヘアスタイル ・表情 ・コスチューム ・グローブ ・ブーツのソール構造 ・武器 ・コスチューム(インナー) |
| 彩色原稿 | ‐ |
| アニメ三面図 +背面の紋様 | ‐ |
CHARACTER MAKING PROCESSの構成は下の画像のようになっており、1キャラクターにつき2ページにまとめられています。
ただし、改心前後の資料があるルークのみ掲載量が4ページとなっています。

ルーク以外のキャラクターはこの画像の様に右ページにラフ画、左ページに線画、彩色原稿、アニメ三面図が載っています。

彩色原稿以外の美術資料と藤島康介氏のコメントは本書にしか載っていません。
これらの情報が見たい方は本書を購入することをお薦めします。
KOSUKE FUJISHIMA’S ESSENCE OF CREATION! PART2
この章にはテイルズオブジアビスのちびキャラに関する藤島康介氏へのインタビューが、以下のキャラクターのちびキャライラストと共に掲載されています。
- ルーク
- ティア
- ジェイド
- アニス
- ガイ
- ナタリア
ちびキャライラストは下の画像のようにシルエット、線画、彩色原稿の3種が載っています。

インタビュアーの発言は下記の通り。
インタビューの内容を想像する助けになれば幸いです。
- 藤島さんにぜひともお聞きしたいことがあったんです。それが、ちびキャラの描き方なのですが。
- もちろんです(笑)。
- いや、ちびキャラは実は描くのが難しいのではないかと。ちびキャラがうまく描けるクリエーターさんは、実はそんなにいないと思うのです。藤島さんはちびキャラを描くのは難しくないのですか?
- 「シンフォニア」より伸びていますか?
- でも、頭身の若干の伸び縮みはよいとして、描いていてまったく躊躇せず描けてしまうものなのですか?
- でも。ちびキャラにするためのポイントなどがあると思うのですが?
- いや、あるはずかと。なぜなら、ちびキャラは可愛くなければいけないわけですから。
- いや、単に縮めただけでは可愛くなるとは限りません。そこで何か藤島さん独特のデフォルメが入るのだと思います。それを教えていただけないかと?
- 全然意識されてないのですか?
- ちびキャラというのは、リアル頭身のキャラを描き終わってから描くものなのですか?
- キャラクターの描き順としては大体主役級のキャラから描いていくとか、そういうことでしょうか?
- ティアなどは、バランスがよいですよね。
- では、ちびキャラのポーズはどのように考えて描かれているのでしょうか?
- ちびキャラだけのバランスがよいポーズというのもあるのではないですか?
- ポーズについての指定は特にないのですね?
- ちびキャラを描くのに何歳くらいにしようとか意識はされますか?
- 例えばジェイドは、このちびキャラのようなポーズでセリフを言いますが、その感じをよく表したポーズですよね。
- このアニスなども……。
- このしなっとしたポーズなどなかなか描くのが難しいのかと。絶妙と言いますか。……では、ちびキャラは実はかえってそんなに時間をかけずに描けてしまうのですか?
- やはり描きやすいのですか?ほとんど一発で描いてしまう感じでしょうか?
- でも、ラフで描いていってそんなに大変ではなくできてしまうのですね?
- なるほど、そこがポイントかもしれないですね。
- 要はやはり顔がいちばん重要なのでしょうか?
- しかし、顔を縮めると言っても大変かと思うのですが?
- ですが、リアル頭身ではすごく可愛いけれど、小さくなるとそうではなくなるクリエーターさんもいるかと思いますが?
- ちびキャラの制作上のノウハウをお聞きしたかったのですが?
- 経験値のなせるワザということでしょうか?
- その通りですね。
- ありがとうございます。お疲れさまでした。
ちびキャラの彩色原稿は「TOA キャラクターエピソードバイブル」「TOA 公式コンプリートガイド(PS2/3DSの両方)」にも載っています。
ただし、キャラクターエピソードバイブルの掲載サイズはかなり小さめです。
ちびキャラのシルエットと線画を見たい方や公式コンプリートガイド未所持でちびキャライラストを見たい方は本書を購入することをお薦めします。
KOSUKE FUJISHIMA’S ESSENCE OF CREATION! PART3
この章にはテイルズオブジアビスをキャラクターデザインを担当した「藤島康介」氏とプロデューサーの「吉積信」氏の対談が17ページにわたって掲載されています。
対談のページ構成は下の画像のようになっており、ページ上部には対談の内容を補足する資料が載っています。


また、対談中にはコラムとして以下の話題に関する藤島氏と吉積氏の会話が載っています。
- アニスの服の肩の部分について
- ティアの隠し武器について

対談ではキャラクター、ゲーム制作のスケジュール、CG表現やロード時間、キャラクターの服装、チャット、パーティーの仲の良さ、藤島康介氏のデザイン力、次回作について話されています。
インタビュアーの発言を下記にまとめました。
対談形式なのであまり役に立たないかもしれませんが、対談の内容を想像する助けに少しでもなれば幸いです。
ACT1「キャラクターいろいろ話」
はじめに
- 10周年記念作品「テイルズオブジアビス」の大ヒットおめでとうございます。キャラクターの人気も盛り上がっておりますので、今回は「アビス」のキャラクターにまつわる制作秘話やエピソードなどを中心に語り合っていただきたいと思いますが、まずはじめに各キャラクターのことからお聞きしたいと思います。
ルーク/マイナス系主人公
- まずは主人公のルークからうかがいます。
- ゲームでは、そういうキャラクターの主人公はいないですよね。
- それを受けて藤島さんはどう感じましたか?
- それがなかったらどうだろうとは思われましたか。
- でも、ゲームの序盤のルークはひどい奴ですよね(笑)。
- なるほど。
- もしかすると今の若い人達にはああいう考え方があるということなんでしょうか。
- ルークは「イヤだ!俺行きたくない!」と言いますよね。リアルです。
- そう言えば、ルークといえば腹筋が話題になりましたが?
ティア/結果ツンデレ
- 来店した時に「何しに来たのよ!」とか言われるんですよね。
- 20回も行くのは大変です(笑)。
- なにか最近ツンデレで総称されるゲームも多いですよね。やっぱりツンデレは強いんですか?
- ゲームではキャラクターの声も重要ですよね。
- ティアについてはどんなやりとりがあったんですか?
- ティアのデザインが藤島さんから上がって来たときには、スタッフの方々の感想はいかがでしたか?
- 先ほどから話に出ているツンデレという部分は?
- そういう二面性というのは、藤島さんに発注する時にお話しされるのですか。
- この上半身については何か。
- ティアはすごい人気ですよね。
- だけど可愛いもの好き。
- ヴァンは壮大なことを考えてますしね。ヴァンも27歳の割にはすごい貫禄ありますよね。
ジェイド/35歳。としより。
- ジェイドですが、初めは髪が短かったみたいですね。
- ジェイドについては指定が特にあったわけではないんですね。
- ジェイドは非常に重要なキャラですよね。
- 実はこの人がいちばん年齢が高いんですよね。
- そう言えば、初めてのメガネキャラですよね。
- ジェイドについて他にありますか?
アニス/トクナガといっしょ!
- アニスについて、吉積さんは藤島テイスト炸裂とおっしゃっていましたが。
- 藤島節というのはどういうところでしょうか?
- アニスと言えば、ぬいぐるみのトクナガですよね。最初の第1稿ではちょこっと胸にいるんですね。
- ゲームになったら見えないですよね。
- これだけ見せるのも大変ですよね(笑)。
- このトクナガは、アニスのコンセプトとして、「大きなぬいぐるみに振り回されながら戦う女の子」というアイデアが最初にあったんですよね。
- そう言えば、トクナガは背中に何か背負っていますが、何を背負ってるんですか?
- アニスの大事なもの?お金ですか?
ガイ/上品貴族
- 兄貴という感じなんですね。
- 本当は復讐しなきゃいけないのに許すんですから偉いです。藤島さんからは服装をデザインするのが大変だったとお聞きしたのですが、できた服装に関しては一発でOKだったのですか?
- 何か王子っぽいですよね。
- この服装の試行錯誤がいい感じに出てるんですね。
- 刀の差し方が独特な感じがしますが?
ナタリア/遠隔攻撃の王女様
- ナタリアについてはいかがですか?
- ナタリアはこの弓が印象的ですが、武器の指定はあったのですか?
- 「シンフォニア」には弓のキャラはいましたか?
- こうして見ると、ナタリアのコスチュームは色使いがさわやかですよね?
ヴァン/ヒゲ問題
- 技術的なところも解決したのですか?
- 27歳、深みのある男であると。
- そういう経験が顔に出るわけですね。
アッシュ/不遇なオリジナル
- 最後はルークのオリジナルであるアッシュですが。
- そうみたいですね。
- 「アビス」のストーリーの思い切ったところは、オリジナルとレプリカがいたら普通はオリジナルを主人公にしようと考えると思うのですが、レプリカが主人公になってるところではないかと思うのですが。
- でも普通、一般的には逆の話になってしまうと思うんですよ。
- 話は戻りますが、アッシュはツンデレということで(笑)。
- 他にアッシュについて何かありますか。
ACT2「ゲームクリエイトいろいろ話」
シリーズ10周年記念作品 せめぎあうってイイことだ!
- 各キャラクターのことを振り返っていただいたところで、今度は全体的なことをお聞きしたいのですが?
- いちばん印象的なのがヒゲのことなんですか?
- それは時間的なことですか?
- それは10周年記念だから、2005年度中に出さないといけなかったわけですか?
- 10年で藤島さんの「テイルズオブ」シリーズが4作品ということなんですけれど、どうですか、10年を振り返られて。
- 「なりきりダンジョン」では動物を描いてますよね。
- ですから今回のミュウも藤島さんが描いたのかと思ったのですが。
CG表現をめぐる試行錯誤とは?動かしやすい頭身とは?
- CGで表現できること、できないことっていうのは、大きなテーマじゃないですか。それをクリアしていかないと前進できないわけで。そういったところで、今回喧々諤々とした部分は、キャラクターのところでお話しいただいたティアのスカートやヴァンのヒゲくらいなのですか?
- 今回ルークの襟って、ぴんと立っているじゃないですか。
- 髪の毛も大変なんじゃないかと思うのですが。
- 素人目に考えると、目の作り込みも難しいのではないかと思うのですが。
- 藤島さんのキャラクターをCGに起こしていくじゃないですか。
- 「シンフォニア」のときはもうちょっと頭身が小さかったですよね。今回のアビスについては、ほとんど藤島さんの形をそのまま踏襲しようとしたのはなぜですか?
- それでは次もその方向性で?
- では、すんなりと頭身を上げた感じなのですね?
コスチュームそれぞれ アイデアそれぞれ
- コスチュームについてうかがいたいのですが、今回、キムラスカとマルクトとローレライ教団がありますが、藤島さんに依頼するにあたってコスチュームなどのコンセプトはあったのですか?
- スペードの紋様があったり。
- そういったところが藤島さんのアイデアであったりするわけですね。
- これは藤島さんにはお聞きしたいのですが、藤島さんが描いたキャラクターはみんなグローブをしています。それはやはり戦争しているからですか?
仲良しのキャラクターたち 仲の悪いキャラクターたち
- 「シンフォニア」もそうでしたが、「アビス」もチャットが好評ですね。
- ヴァンのヒゲは、すごいことができるらしいですね(笑)。
- 今回のキャラクターの感想なのですが、主要キャラクター達の仲が、あまりというか、かなり良くないですよね(笑)。
- それってすごくリアルですよね。
- 「シンフォニア」はみんな仲がよかったですよね。
- アニスなどは極端で、お金持ちだからルークに寄っていったりするじゃないですか。だけど崩落のところで無茶苦茶冷たくなるし。実際に、本当にありそうなところが表現されているのが面白いですね。
ACT3「藤島康介のキャラクター力」
ディテール力
- 「テイルズオブ」シリーズはシナリオやゲーム性などトータルクオリティが高いのは百も承知なのですが、やはりキャラクターというのは、ゲームのイメージを決定しますし、非常に重要なものであると思います。ここからは、藤島さんの描くゲームキャラクターはなぜ支持されるのかを、これまでと違った角度から探りたいと思います。
- その中のひとつとしてディテールを描き込む魅力を「ディテール力」と呼ばせていただきたいのですが。例えばアッシュの靴。足の裏まで丁寧に描き込んでいると思うんです。
- はい。それは多分、依頼されてやっていることではないですよね。
- 自然と描きたくなってしまうんですよね。
- そういったところの、実際にあるものに対してもディテールを詰めて行ったと。
- 教えて下さい(笑)。
- そうすると藤島さんの場合は、描く前の段階の準備と言いますか、その構造を知るというか、理解するワンクッションが必要になってくると。
- そこがディテール力。
- いや、いろんな方に聞くと、藤島さんの絵で素晴らしいのは、女の子はあるんですが、ディテールの描き込みが好きという人がかなり多いんですよ。メカでも人体でもそうです。
シルエット力
- 次はシルエットなのですが。
- ですが、あまり考えずに描く人もいるのでは。
- 藤島さんが描いた、例えばガイをシルエットで見ると、このようにとってもセクシーな男に見えるんです。
- ヴァンは何かこうたたずまいがただものではない感じがするんですね。
- 見てすぐ分かる感じがすごいなと。
- でも、このアッシュは、よく分からない(笑)。
- ティアはどうでしょう?
- 藤島さんの絵というのはそういうポーズがすごく多いんですよね。
- ちびキャラのアニスなんてすごいんですよね。
- ただそれですごくバランスがいいんですよ。
- 要は1枚絵で勝負しているわけですからポーズの取り方だって重要ですよね。ポーズについてはどうですか?
- キャラクターが頭のなかで動いていたりするのですか?
- それは結構早めにイメージできるのですか?描いてるウチにだんだんですか?
- いちばん最初は顔から行きますよね。
- そのあとに動きがついてくるんですね。
リアルカとやんわり力
- 最後なんですが、リアルカ。
- アニメやゲームの感受性に富んだ人が共有し共感するリアル感をコスチュームなどの絵柄で表現できる力なのですが。例えば、服装など、みんなが好きそうな、可愛いという表現ができているんじゃないかと思うんです。
- それが意識せずにできているのではないかと。
- そういったストックを頭の中に溜めるのか大切なんですね。
- いつも描いてると、飽きると言いますか。
- 突飛なこともやりたいという気持ちも。
- 藤島さんの描く体や手など、あまり普段一生懸命描かないようなところが、とっても柔らかそうと言いますか、体のやんわり力と言わせていただきたいんですが。
- まず手です。手って重要ですよね。
- 指先から何か出そうじゃないですか(笑)。
- 何かこうふんわりしてる感じなんですか。
- 例えばルークの刀ですが、これ、変わってますよね。
- この革もやわらかい革かっていうと、そうでもなさそうですよね。
- そうですか。そういったところですね(笑)。
- うまい具合にそれが仕事に繋がっていくと。
ACT4「次回作のヒロイン決定!?」
- そろそろ紙面も尽きますので、最後の締めといたしたいのですが?
- ドキドキしますね。
- 藤島さんから見た吉積プロデューサーはどうなんですか?
- すぐに行き来できるということは、次回の藤島さんの「テイルズオブ」シリーズの構想も着々と進んでいるのでしょうか?
- そういった状況が来ているんですね。
- また2年後くらいの話でしょうか。
- それはヒロインではないのでは?(笑)。
- そうやってアイデアが具体化していくと、キャラクターもまたお願いができると(笑)。
- 次回作も期待しております。
SPECIAL ILLUSTRATION
この章には本書のために藤島康介氏が描き下ろしたティアのイラストが掲載されています。

モザイクを取ったイラストを見たい方はぜひ本書を購入してください。
「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」の総評
本書には設定画などの美術資料や、キャラクターデザインを担当した藤島康介氏のコメントやインタビューが載ってます。
本書に載っているほとんどの情報は他のTOA関連書籍には載っていないので以下に該当する方は本書を購入することをお薦めします。
- キャラクターのラフ画などの美術資料が見たい
- 美術資料に対する藤島康介氏のコメントが見たい
- 藤島康介氏やTOAプロデューサーの吉積信のインタビュー記事を読みたい
なお、ステータスイラストや秘奥義カットインなどのゲーム中に確認できるイラストは本書には載っていません。
これらのイラストを見たい方は「TOA 公式コンプリートガイド」の購入を検討しましょう。
「テイルズオブジアビス イラストレーションズ 藤島康介のキャラクター仕事」を購入する
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気になる方はぜひ見てみて下さい。
テイルズオブジアビス 公式シナリオブック
テイルズオブジアビス キャラクターエピソードバイブル
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